彼女の部分。
彼女の部分に入りたい。
あるところまでは、簡単に入れてくれる。
それはどこまでも深く底の底まで入れると思うほど。
しかし彼女は豹変する。
一歩も踏み込ませない場所がある。
誰にも踏み込ませない場所がある。
それは、彼女にも自覚があるや無しや定かでない。
僕はそこに踏み込んだ。
ズカズカズカズカ踏み込んだ。
そして彼女は砕け散る。
何度もなんども砕け散る。
それでもなんとか、入りたい。
入り込むにはある種の礼儀が必要だ。
ある種の作法が必要だ。
ある種の経験が必要だ。
まだまだ必要なことがある。
あることはわかるが何か知らない。
その場所に彼女は苦しむ。
多分そうだと思いもするが、たまに見えるその場所になかなか僕は入れない。
入れなくとも、入りたい。
僕は彼女に入りたい。