どうも、SJMです。今日は自分が好きな暗号通貨プロジェクトの1つ、Numeraiについての説明と、一体何が面白いのか、ということを書いていこうと思います。
Numerai、この名前は多分数字を意味するNumeralとAIを足した造語だと勝手に思っています(違ったらすいませんw)
Numeraiを説明するとき、AI、ゲーム理論、スマートコントラクト、クラウドソーシング、オークションなど、Tech好きは必ず反応してしまうようなワードがたくさん出てきます。
なるべくわかりやすく説明していけるよう頑張ります。
まずは最高にCOOLな動画からどうぞ。
まず、Numeraiとは"世界経済の株式市場を予測するために開発されたAIで、コミュニティ型のヘッジファンド"です。
Numeraiは匿名のデータサイエンティスト達(トレードの売買のアルゴリズムを組む設計士)によって構成されています。
Numeraiは彼らのトレード予想データを元に株式市場への投資を行っているのです。
2015年10月にサービスが開始され、2016年の12月の時点で既に7500人のデータサイエンティストが50000のモデル、300億にのぼる株価予想を提出しています。
プロジェクトのFounderはリチャード・クレイブ。南アフリカ人で現在はサンフランシスコで活動しています。
まず彼は、ファンドの取引データを暗号化する技術をつくるところから始めました。そして、その暗号化技術によって株価のアルゴリズムデータを匿名のデータサイエンティストらとNumeraiコミュニティ上で共有したのです。
この技術は、データサイエンティストが企業の独占取引の詳細を見ることができないようにするだけでなく、それによって分析する機械学習モデルを構築しました。
その暗号化されたデータを元にディープラーニングや機械学習を駆使するデータサイエンティストらがAIにチューニングをし、Numeraiのアルゴリズムを強化させていくのです。
あなたが自信のあるアルゴリズムを組めるのなら、Numeraiのトーナメントで公開されているデータをダウンロードし、自身のアルゴリズムを用いてそのデータにおけるモデルを構築してみてください。
そして、そのモデルをNumeraiにアップロードして、実際の株式市場の動きと照合してみましょう。
そのモデルが上位100位に入れば報酬がもらえ、1位になれば高額な報酬をもらえることになります。
今まではそれがBitcoinで支払われていました。
しかし2017の2月にNumeraiはイーサリアムのスマートコントラクトへの移行を発表し、データサイエンティスト達へのモチベーションになるインセンティブとしてNumeraireトークン(NMR)での支払いを始めました。
7/1にはNumeraiがアップデートし、ユーザー数は24,000人、Skackは4400人を超え、超強力なネットワークコミュニティができ始めています。
NumeraiはICOを行わずに上場しました。
十分な資金源があれば必要ないとの事で、Numeraiは市場に出てから欲しい人が購入するスタイルを選びました。
Numeraiのコンセプトとユースケースは暗号通貨じゃないとできないってところも最高だと感じています。
NMRの総発行枚数は2100万枚で、そのうち100万枚をデータサイエンティストに配布しています。NMR自体は通貨というより、データサイエンティスト達が構築したアルゴリズムに賭ける為に使用されるのですが、Numeraiがパフォーマンスを発揮すると、ユーザーはそれで収入を得ることができ、支払われる報酬も大きくなっていきます。
つまり、Numeraireは機械学習モデルの知性を証明する報酬なのです。
まさに"Poof of Intelligence"
ザッと仕組みを書いてみました。(汚いw)
株式市場は、世界のデータサイエンティストのほんの一部にしかアクセスを許されていなく、これは機械学習の発展のためには非効率であったのですが、Numeraiはこれを変えていくことをミッションにしています。
つまりメタモデルの構築です。
Howard Morgan(ルネッサンステクノロジー創始者:米国で有名なヘッジファンド)
Olaf Carlson(Polychain創始者/Coinbase社員)
Norman Packerd(プレジクトカンパニー創設者)
Geoff Broadway(Numeraiのエンジニア・元Google deep mind)
Joey Krug(Auger開発者)
Yunus Saatchi(パーミュテーションベンチャー)
Peter Diamondis(X-priza創始者、Singularity 大学創始者)
Richard Craib(Numerai-Founder)
さらに投資を受けているのが
Union Square Ventures/Joey Krug(Augur)/Juan Benet(FileCoin)/Fred Ehrsam(Coinbase)/Olaf Carlson-Wee(Polychain)
から750万ドル以上を調達しています。
世界の全てのお金を担う事がゴールだと言う究極の目標を掲げていますが、ワクワクしますね。
自分が知る限りの最新のインタビューはこちら
そして、ようやく冒頭で触れたゲーム理論の話へ。前提知識として"囚人のジレンマ"を理解することをオススメします。
ゲーム理論自体がかなり面白いのですが、これがNumeraiとどう関係してくるかを書いていきます。
” まず、現在の市場は誰も効率的にしようと動いていません。当たり前ですが、みんな利己的に利益を増やそうとしているのです。
株式のブローカーは自己の利益を優先するので、永久的に非効率的な世界を好みます。
ヘッジファンドは誰も持っていないデータによって利益が得られるので、データの共有を目指すことはないでしょう。
株式市場は、誰も市場が効率的であることを望んでいないのです。
ここで問題となるのは、自分の利益最大化を目指す市場参加者が全力を挙げて取引に参加しているのに、大抵その目標を上回っていないことです。
要は参加者達は敵対しあっていることになるのです。
協力し、知識やデータの共有、市場を効率化すためにコードを共有するインセンティブがそこにないのです。
株式市場の中で利己的な思惑は反発しあい、それが共有を阻んでいるのです。
それは、市場参加者が自己利益を求めるからでしょうか?
ならば、自己利益を抑制し規制することでしょうか?
違いますよね。問題は自己利益の追求ではなく、問題はお金自体にあるのです。
お金は問題を解決し、取引をスムーズに行うために発明されました。そして、暗号通貨は金銭の不正な取り扱いを解決し、人々の協力を得られるまでに進化しました。
暗号技術によってお金はソフトウェアになったのです。
お金はプログラムができ流ようになり、そのお金の流れのルールさえ作れるのです。
株式市場は、"囚人のジレンマ"に似た状況を作り出します。
市場参加者で協力すれば市場はより良くなりますが、現実的にはそうはいきません。普通のお金では彼らにうまくインセンティブを与えられません。普通のお金では無理なのです。
ブロックチェーン上に存在する"囚人のジレンマ"を想像してみてください。
囚人が少しだけ変更点を加えた通常のお金のような暗号通貨を発行しているとします。その変更点は"誰かが刑務所に行く時と自己破壊するプログラムが作動する"仕組みになっています。
このように、通貨を定義することによって囚人の運命は現在の財政的拘束によって縛られます。
この状態だと、囚人は他の囚人を刑務所から守らなければ、確実にすべてのお金を失うことを認識しています。
この新しい暗号通貨は、市民がお互いを刑務所に入れないような仕組みを作る経済的インセンティブを持っている新しい世界をもたらします。
囚人はこの時、自己利益によって動機づけされていますが、彼らは今、この暗号通貨によって自己利益の追求でも、協力しあうようになるのです。”
つまり、NumeraiはNMRによって人々を囚人のジレンマから解放する可能性を多く秘めているのです。
どうでしょう。面白いですよね。Numerai。自分はすごく好きなプロジェクトです。これからも動向をウォッチして、記事を書いていこうと思います。
読んでくれてありがとうございました。
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