This post is Japanese translation of Steem whitepaper 2.0, it includes line 17 of page 18 - line 19 of page 21 .
It describes about fees and bandwidth.
This translating work is submitted to Crowdin project for Steem whitepaper.
https://crowdin.com/project/steem-whitepaper/ja/activity
Because this Crowdin project can be read only registered users, so I paste translated sentences to below for Japanese Steemians who need this.
取引手数料の排除
Steemはネットワークに貢献する人々に報酬を出すために尽力します。人々がコミュニティとやり取りをする度に課金するのは逆効果になるでしょう。
現在、ブロックチェーン技術は取引手数料によってスパムを防止しています。これらの手数料は少額取引における既知の問題すべてを被り、ブロックチェーンが少額の取引に使用されるのを阻みます。真に分散化したアプリケーションは、集中化された競合相手と競争するには、ユーザーに外見上は無料であるように見せる必要があります。本稿では手数料の必要性を排除するためのSteemにおけるアプローチを概説しており、それによって以前は困難であった分散化アプリケーションを広い範囲で可能にします。
手数料の問題
ブロックチェーンは分散化されたネットワークであり、すべての取引はすべてのピアに発信されます。時々生成されるブロックは、保留中の取引の一部または全部を含みます。すべてのブロックチェーンは、悪意あるユーザーが無意味な取引でネットワーク容量を消費し尽くしてしまうのを防ぐための解決策を見つける必要があります。無意味な取引は他の意味のある取引が処理されるのを阻み、最終的にネットワークを破壊します。
これまでのほとんどのブロックチェーンが採用した解決策は、最低限の取引料金を課すことです。ネットワークへの攻撃を効果で無益なものにするには僅か数セントの手数料で十分です。このアプローチはスパム問題を解決しますが、新しい問題をもたらします。すべての電子メールに少額の料金を課すことでスパムメールの問題を解決しようとすることを想像してみてください。誰も電子メールを使わなくなるでしょう。
マイクロペイメントはうまくいかない
取引に手数料を課すことの基本的な問題は、マイクロペイメント、特に価値の低いユーザー行動に対するものが機能しないことです。すべての取引に手数料がかかる場合、分散ネットワークが処理できる取引の種類が制限されます。手数料の必要性に関してどのような合理的な議論が行われたとしても、ユーザーは自分のすべての行動に対して少しずつ出費があるということを嫌います。
私たちが毎日使用するウェブサイトが、アカウントのパスワード変更を行う毎に手数料がかかるということを想像してみてください。ユーザーは一定のものが無料であることを期待しています。ある行動に少額の手数料がかかるかどうかをユーザーに判断させることは、ユーザー離れの原因となる懸念を生みます。
取引は決断を必要とするほど価値があるわけではありませんが、自動化できるほど小さい価値というわけでもありません。どんなに小さいものであっても、それを買う決断をする際はある程度の不安があります。それはユーザーインターフェースやかかる時間に由来するものではなく、まさに決断する行為そのものに由来します。
マイクロペイメントは、すべての支払と同様に比較を要します: 「Xの大部分には、Yの大部分の価値があるか?」ユーザーが何も考えずに承認できる取引だけが、コストがかからないものですが、それは取引ではありません。そのため、この事実によって作られた取引の精神的なコストには、最適化によって除去しきれないものがあります。
– クレイ・シャーキー
金融決済の世界では、取引が手数料に対して高額であり、買い手は既に購入を決断しているため、少額の手数料が容認されています。潜在的なブロックチェーンアプリケーションの世界は、単なる金融決済よりも遥かに大きく、必要な取引にユーザーが手数料を容認しないようなものを多数含みます。
BitShares、Nxt、Ripple、Counter Party、Stellarのようなシステムはすべてユーザーがブロックチェーン上に指値注文を置くことができ、そのすべてがユーザーの行動に対して少額の手数料を課します。その後、ユーザーが注文を取り消そうとすると、もう一度手数料が課されます。Ethereumのようなシステムはマイクロペイメントを全く新しい段階にします: 計算毎の課金。分散型検索エンジンが検索毎に少額の手数料を課す場合にGoogleからユーザーを引き込むのに苦労するだろうということと同じ理由で、これらのすべてのシステムは新しい主流ユーザーを引き込むのに苦労しています。それはサービスがどれほどすばらしいかということとは関係ありません。人々は一定のものが無料であることを期待しています。これはユーザーが別の料金体系の下でより全体的な支払いを終わらせたとしても当てはまります。
手数料は参加の障壁
どのような手数料も新規ユーザーの参加の障壁となります。Ethereumを体験するにはまずETHトークンを取得する必要があります。Ethereum上で分散アプリケーションを構築しようとする人は、顧客にコストを転嫁する必要があります。暗号通貨の購入は簡単な作業ではなく、10ドル未満の金額にはほとんど意味がありません。つまり、新しい分散アプリケーションを試してみたい新規ユーザーは、まず10ドルを手放すことに納得しなければなりません。
手数料の変更
時間とともにネットワークは手数料を調整しなければなりません。これは、トークン価値の上昇または容量の増加によって起こることがあります。ユーザーは予測可能な料金と保証されたサービスを好みます。使用料の多い時間に動的に手数料を変更することも可能ですが、ユーザー・エクスペリエンスの低下を招きます。
シビル攻撃
集中型ウェブサイトは帯域制限やID認証によってスパムを防ぎます。reCAPTCHA[^fn9]のような単純なものでも偽アカウントの作成を制限するのには十分です。誰かがアカウントを悪用すると、集中型ウェブサイトは自由にアカウントをブロックできます。
分散型システムでは、ユーザーを直接BANすることや、集中型プロバイダがreCAPTCHAをホストしてアカウントの帯域制限を行うことはできません。実際、ユーザーを検閲できないことがブロックチェーン技術のセールス・ポイントの一つです。
完全準備 vs 部分準備
町内すべてのケーブルを所有し、いつでも提供できる帯域幅には上限があるインターネットサービスプロバイダ (ISP) 協同組合のようなブロックチェーンを考えてみましょう。街に住む人々はISPの株を買うことができ、その代わりに有効な帯域幅の一部を利用する権利を得ます。
ISPには「完全準備」システムまたは「部分準備」システムの2つの選択肢があります。完全準備システムでは、各ユーザーは最大帯域幅から所有する株に比例したほんの一部しか利用できません。誰もが同時にインターネットを使用しているわけではないため、町のネットワークは十分に活用されないでしょう。
部分準備システムでは、すべてのユーザーが同時にインターネットを使用していない限り、各ユーザーはいつでも使う権利のある帯域幅より多くを利用できます。部分準備の運用上の問題は、想定よりも多くの人々が同時にネットワークを使用しようとした場合に常に輻輳が発生することです。ISPには輻輳時に帯域幅を優先順位付けする方法が必要です。最も極端な場合、ネットワークが完全に輻輳している場合は完全準備システムに戻す必要があります。課題は適切な部分準備率を設定することです。
マイクロペイメントに代わる帯域幅
マイクロペイメントにおける問題の解決策は動的部分準備の実装です。このモデルでは、ブロックチェーンは輻輳時にネットワークの準備率を自動的に調整します。ブロックチェーンは短期的な需要の急増に対して十分なヘッドルームを残すように目標利用量を設定します。需要の高まりが長引く場合、ブロックチェーンはステークあたりの最大帯域幅を減らします。需要の高まりが終わり容量に余剰がある場合は、ブロックチェーンは緩やかにステークあたりの帯域幅を増やします。
個々のユーザーが使用する帯域幅は、ユーザーが使用量を時間シフトできるように適切な長期間に渡って測定する必要があります。ユーザーはログインしてから一度に多くのことを行い、そしてログアウトするという傾向があります。つまり、彼らの短時間の帯域幅は、長期間で見た帯域幅よりも遥かに大きく見えます。時間窓を拡大しすぎると、準備率は短時間の急増に対して十分な早さで調整することができず、また時間窓が短すぎると通常のユーザーにはクラスタ化された利用量の影響が大きすぎます。
私たちの見積りでは、ユーザーの毎週の平均帯域幅利用量を測定すれば十分です。ユーザーが取引に署名する度に、その取引は各個人の移動平均に組み込まれます。ユーザーの移動平均が現在のネットワーク制限を超過すると、平均が制限値を下回るまで取引は遅延します。
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