Steemは『投票』によって下記の項目を決定しています。
- 報酬プール内のトークンをどのコンテンツにどのくらい分配するか
- ブロックチェーンの承認者であるWittnessのを誰にするか
そしてその投票における影響力はSP(Steem Power)の保有量に比例します。
どういうことか?
整理しながら紐解いて行きたいと思います。
まず、ホワイトペーパーにはこのようにSteemの設計について書かれています。
すべての人のコミュニティへの有意な貢献は、その付加価値によって評価されるべきです。 有意な貢献をした人々が評価されるようになると、人々は貢献を継続し、コミュニティは成長していきます。
※https://steem.io/steem-whitepaper.pdf
ここでいう貢献とは
- コンテンツ投稿
- キュレーション活動
- ツール制作
などを指します。
そして、ここで重要になってくるのは、それが有意な貢献かどうかを評価することです。
この評価を公平かつ、主体的に参加者同士で行う仕掛けとしてSteemは『投票』という仕組みが導入されています。
- 投票の仕組み
- 投票で決まるもの
- 投票方法について
- メリット・デメリット
投票の仕組み
前回の投稿でも解説した通り、Steemは1Steem、1投票という仕組みで動いています。つまり、報酬プールからどのようにトークンを配分するかは保有するSPの量に比例する形となり、SP保有量が多い方からの投票があったコンテンツには報酬配分多くなります。
ではなぜ、SPに投票の影響力を与えているかというと、SPはSteem上での貢献によって蓄積されるトークンであり、言い換えるとプラットフォームへの貢献度を図る指標とも言え、Steemは貢献度の高い方の意見を尊重する考えに基づいて設計されているからです。
投票で決まるもの
・報酬配分
1日に発行される報酬は決められているため、その報酬をどのコンテンツにどのくらい配分するかを、投票により決定しています。
評価の仕方は、各コンテンツに対して「いいね(Vote)」 することで行います。
※レート制限投票
また、むやみやたらに「いいね(vote)」ができないように、「レート制限投票」という仕組みが導入されています。これにより、1日に限られた数のコンテンツにしか評価することができないため、評価そのものの妥当性が担保されるようになっています。
・Wittnessの選出
ブロックチェーンの承認者である21名のWittnessは投票によって決定しています。投票はSteem参加者であれば誰でも可能で、Steemitのインターフェース上で簡単に行う事ができ、候補者1名に対して1投票することができ最大30名まで投票が可能です。
また、wittness 候補者リストの一覧に入っていない方でも、リクエスト欄に新たな候補者の名前を入力することで投票することが可能です。
メリット・デメリット
・メリット
・報酬配分の決定に関して運営側が関与せずとも参加者同士の投票により公平に決定される
・よい評価をうけた者が、また良い評価を受けたいと思い、有意な貢献の循環が生まれる
・デメリット
・報酬配分においてはSP大量保有者の意向が反映されやすくなる
・SP大量保有者がいないコミュニティへの報酬配分は少なくなりがちになる
ここでもう一つ押さえておきたい点は、
『どのコンテンツに投票するかということは、どのコミュニティに投票するかということを意味している』
という点です。
これは、例えば
というタグの付いているコンテンツへ投票すると、#japaneseのタグで活動しているコミュニティへ報酬を配分することに繋がります。
逆に言うと、いくら#japaneseタグで活動しても、#japaneseタグに投票が集まらなければコミュニティに十分な報酬が分配されず、コミュニティ参加者の離脱に繋がり、結果としてコミュニティの衰退を招きます。
参加者心理としては、当然、報酬が多く得られるコミュニティ(タグ)へ投票が偏りがちになりますが、自らの投票がコミュニティに対してどのように影響を与えているのか、理解した上で投票を行うと、より良いSteem Lifeを送れるかもしれませんね。
皆さんは投票を通じてコミュニティへどの様な貢献をして行きたいでしょうか?
□ INDEX
[ Steem report Vol.1 ] STEEM / Steemit / Steem 意外と知らない3つの違いって?
[ Steem report Vol.2 ] 意外と知らない Steem Blockchain の仕組みについて
[ Steem report Vol.3 ] Steem の報酬設計とコミュニティに与える影響ついて
[ Steem report Vol.4 ] インフレ通貨としてのSteemの価格維持設計について
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