[ Steem report Vol.8 ] Steemのアカウント管理の仕組みについて

今回は、Steemブロックチェーンの特徴である「アカウント」ベースの管理について解説していきたいと思います。

ビットコインやイーサリアムといったブロックチェーンには大きく2つの台帳管理方法があり

  • ビットコインでは「UTXO」ベース
  • イーサリアムでは「アカウント」ベース

が採用されています。

ではなぜ異なる2つの台帳管理方法が存在しているかと言うと、ビットコインは「通貨の移動」を目的としたデジタルゴールドとしてのブロックチェーンなのに対し、イーサリアムは「アプリケーション開発の基盤」を目的としたプラットフォームとしてのブロックチェーンであるといった、それぞれのブロックチェーンには目的に違いがあるからです。

そして、Steemではイーサリアムと同じ様に「アカウント」ベースの台帳管理方法が導入しプラットフォームとして使い勝手の良いブロックチェーンを目指しています。

それではこの2つ台帳管理方法にはどの様な違いがあるのか簡単に見ていきたいと思います。

■「UTXO」■
ブロックチェーンネットワーク上に存在する、自分の秘密鍵で動かすことのできる「まだ使用されていないコイン」の残高を集計して算出する方法です。
UTXOとはUnspent Transaction Outputの略で「未使用のトランザクションの出力」と訳せます。
この台帳管理ではトランザクションが『入力(Input)』と『出力(Output)』の2つから構成されていて、残高を未使用のトランザクションである『入力(Input)』を集計して算出する方法をとっています。
以前、ハードウェアウィレットの仕組みので軽く触れたブロックチェーンネットワークに存在すし自分の秘密鍵で動かすことのできるコインがここで言うところの『入力(Input)』で存在すコインのことになります。
※詳細についてはこちら論文を参照ください。
「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」:https://bitcoin.org/bitcoin.pdf

■「アカウント」■
発生するすべてのトランザクションがアカウントに紐付き、アカウント情報を見るだけで残高が算出することができます。
アカウント内には残高以外にもアカウントに紐づく情報が記録され、単に残高を表示するだけでなく、アカウントに紐づいた情報をもとにデータ収集・活用をすることができます。例えば、アカウントベースで継続的に契約を履行したい場合は便利になりますね。

そして、Steemブロックチェーンでは下記のような情報がアカウントに紐づいて管理されています。

  • Recent History → 直近の活動状況(投稿 / vote / コメント / 報酬 など)
  • Reputation → レピテーションスコア
  • Age → アカウント年齢
  • Created → アカウント登録日
  • Balance → STEEM / SP / SBD 残高
  • Last vote time → 最後にvoteした日時
  • Voting power → vote 時の消費パワー残高
  • Followers → フォロワー数
  • Following → フォロー数
  • Post Count →ポスト数
  • Vote Count → vote数
  • witness → 投票状況(誰に投票しているかなど)




などなど。。

※steemdで@steemitblogのアカウント情報を見てみると
https://steemd.com/@steemitblog

スクリーンショット 2018-06-24 14.49.07.png

※steemdbで@steemitblogのアカウント情報を見てみると
https://steemdb.com/@steemitblog

スクリーンショット 2018-06-24 14.57.56.png

これをみると様々な情報がアカウントに紐づいて管理されているのが分かりますね。

つまり、単純な資金の移動だけではなく、アカウント管理を導入することで

  • Steem上での活動内容
  • Steem上での影響力

といった付帯データがアカウントに蓄積され、アカウントをベースとした様々なサードパーティの開発がしやすくなっています。

実際にアカウント情報を活用したサードパーティーのプロジェクト一覧がこちら
https://steemprojects.com/projects/

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音楽や動画配信アプリやメッセージアプリといった様々なサードパーティーのプロジェクトがリリースされていますね。こうして見ていくと、Steemは「アカウント」管理によってサードパーティー開発に適したプラットフォームであることがわかります。

もし、Steemブロックチェーンを活用したサードパーティーの開発にご興味ある方はこちらのディベロッパーポータルを覗いて見てみると様々なライブラリ・APIが見れるので面白いかもしれませんね。

Steem Developer Portal
https://developers.steem.io/

スクリーンショット 2018-06-24 17.08.42.png


□ INDEX
[ Steem report Vol.1 ] STEEM / Steemit / Steem 意外と知らない3つの違いって?
[ Steem report Vol.2 ] 意外と知らない Steem Blockchain の仕組みについて
[ Steem report Vol.3 ] Steem の報酬設計とコミュニティに与える影響ついて
[ Steem report Vol.4 ] インフレ通貨としてのSteemの価格維持設計について
[ Steem report Vol.5 ] Steemの「投票」システムについて
[ Steem report Vol.6 ] Steem経済圏を活性化させる3つのトーキング設計と活用の仕組み
[ Steem report Vol.7 ] スケーリング問題を解決するSteemのDPOSについて


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