まず最初に見ていただきたいのがこちらの記事
キュレーション報酬で321.920 STEEM POWERを得たという衝撃の内容が投稿されています。
多くの方が、Steemitの素晴らしさを日々の投稿活動によって報酬が得られるものだと認識していますが、キュレーション活動によっても報酬が得られると言うことをしっかりと理解していると言う方がどれだけいるでしょうか?**
なんとなく「vote」をしていると言う方は、Steemitの素晴らしさを十分に体感できていないかもしれませんね。
キュレーション報酬の仕組みは複雑がゆえに、なんとなくの理解にとどめてしまっていると言う方がほとんどのはず。そこで今回は複雑なキュレーション報酬の仕組みをPart①、Part②の②回に分けて全体像から細かな計算式のところまでしっかりと網羅して解説していきたいと思います。今回の記事を参考に素敵なSteemit lifeが送れるようになっていただけたら嬉しいです。
それではまず、以前のレポートで解説した報酬設計の全体像からおさらいをして行きたいと思います。
毎日発行されるトークンの75%が著者・キュレーターに分配され、さらにそこから著者へ75%、キュレーターへ25%が分配されます。
ここまでは多くの方が知っている内容ですが、実はここからが問題なんです。
これは、あくまで投稿から30分後に1件のvoteしかいなかった場合の理想値なんです。
実際のところはと言うと
- 著者:MAX:87,5% - mini:75%
- キュレーター:MAX:25% - mini:12.5%
実際の報酬確定した投稿を例に見ていくと
■CASE.1
Post Payouts $103.41 に対して Curators $23.80 となり、キュレーション報酬の割合は約23%となっています。
■CASE.2
Post Payouts $340.26 に対して Curators $22.55 となり、キュレーション報酬の割合は約6.6%となっています。
こうして比べて見るとコンテンツによってキュレーション報酬の割合には大きな差があることがよくわかります。
また、こちらのグラフを見るとキュレーション報酬は平均すると18%程度になるのがわかります。
※参考URL
なぜこのように、コンテンツによってキュレーション報酬割合にばらつきが出ているのかと言うと、著者・キュレーターがそれぞれ下記のような行動を取るためです。
Ⅰ. 投稿から10分後にキュレーターがvote
キュレーター報酬の一部が著者のものとなり全体のキュレーター報酬割合は25%より下回ります。
Ⅱ. 投稿から3日後にキュレーターがvote
自分より先に多くのキュレーターがvoteしていることが想定されるためキュレーター報酬全体における自分の取り分が低くなります。
Ⅲ. 投稿直後に著者が自分の投稿へセルフvote
セルフvoteで得られたキュレーター報酬分に潰えてゃ全て著者の取り分となり、結果として全体のキュレーター報酬割合は25%より下回ります。
Ⅳ. 投稿から30分以内にクジラがvote
人気著者のコンテンツの場合、投稿直後にクジラがvoteすることが多くtotal payoutが$100を優に超えます。しかしそのような投稿の場合、その取り分の多くが著者にいってしまうため、上記であげたCASE. 2のように全体のキュレーター報酬割合は微々たるものになります。
※クジラとはSP大量保有者でvoteの影響力が最も高いアカウントを指します。
そしてさらに、ここで決定したキュレーター報酬についても
MAX:50% - mini:12.5%
といったようにキュレーター毎に取り分が異なります。
つまり、著者・キュレーターがそれぞれどのような行動をとるかによって、
(1)著者・キュレーターの報酬割合
(2)キュレーター報酬の中での自分の取り分
が変わってくるといった仕組みとなっています。
ではなぜこういった現象が起きるのかと言うと
(1)著者・キュレーターの報酬割合
コンテンツが投稿されてから30分以内にvoteされるとキュレーター報酬の一部が著者に行く仕組みを取り入れています。
- 投稿直後:著100%
- 3分後 :著者90%、キュレーター10%
- 15分後 :著者50%、キュレーター50%
- 27分後 :著者10%、キュレーター90%
- 30分以降:キュレーター100%
(2)キュレーター報酬の中での自分の取り分
vote順位が早ければ早いほど報酬に当てるインパクトは大きくなると言う設計が導入されています。
・投稿から30分経過後に2名のキュレーターからvoteがあったと想定します。
・2名のvote価値はそれぞれ同じ$4と想定します。
・2名のキュレーターのVoteによって得られたコンテンツの報酬額は$8となります。
・$8のうち75%が著者へ行くため、$6が著者の取り分となります。
・$8のうち25%がキュレーターへ行くため、$2がキュレーターの取り分となります。
・自分よりもあとのvoteで得られたキュレーション報酬の半分がそれまでにvoteしていたキュレーターに配分されます。
・つまり、2番目のキュレーターの報酬の半分は1番目のキュレーターへ行き、3番目のキュレーターの報酬の半分は1番目と2番目のキュレーターへ行きます。
この連鎖が続くと下記のような現象がおきます。
これは、自分得られるキュレーション報酬はその後に蓄積されるキュレーション報酬がどのくらいかによって左右され、自分が本来持つvote価値の
- 2倍(50%)にもなることもあれば
- 半分(12.5%)のままの場合もある
とう現象が生じます。
つまり、キュレーション活動において注目すべき点は
- 高いtotal payoutが見込める良質なコンテンツか?
- コンテンツは投稿されてからどのくらいの時間が経過しているか?
- 現時点でどのくらいのvote価値($表示されている金額)が集まっているか?
であり、最適なキュレーション活動を行うことで
- 今まで見たことのない著者のコンテンツを見るようになったり
- 誰も発見していない良質なコンテンツに出会えたり
- 最終的には自分のキュレーション報酬の最大化に繋がる
といった良い循環が生まれるのかもしれませんね。
次回は、このキュレーション報酬を決定する様々な要素について踏み込んで解説して行きたいと思います。
さらに詳しく知りたいという方は下記参考リンクをご覧ください。
【参考リンク 】
My best curation reward ever (321 SP / $700 USD)
An Illustrated Guide to Curation - from the simple to the complex - with real examples from past posts - Part 1
An Illustrated Guide to Curation - from the simple to the complex - with real examples from past posts - Part 2
□ INDEX
[ Steem report Vol.1 ] STEEM / Steemit / Steem 意外と知らない3つの違いって?
[ Steem report Vol.2 ] 意外と知らない Steem Blockchain の仕組みについて
[ Steem report Vol.3 ] Steem の報酬設計とコミュニティに与える影響ついて
[ Steem report Vol.4 ] インフレ通貨としてのSteemの価格維持設計について
[ Steem report Vol.5 ] Steemの「投票」システムについて
[ Steem report Vol.6 ] Steem経済圏を活性化させる3つのトーキング設計と活用の仕組み
[ Steem report Vol.7 ] スケーリング問題を解決するSteemのDPOSについて
[ Steem report Vol.8 ] Steemのアカウント管理の仕組みについて
[ Steem report Vol.9 ] July 4th is steem's birthday!
[ Steem report Vol.10 ] Steem blockchainのベースとなるGrapheneについて
[ Steem report Vol.11 ] コミュニティが作り上げる STEEM FEST について
[ Steem report Vol.12 ] コミュニティで作り上げるSteem情報サイト『SteemCenter』について
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